environment
守られる伝統 臼井織布さんの伊勢木綿
津市の旧伊勢街沿いに佇む歴史ある織屋では、江戸時代から続く名物みやげ、伊勢参宮の土産品として愛されてきた伊勢木綿が、その伝統を守りながら作り続けられています。
その柔らかな肌触りと高い吸湿性により、季節を問わず快適に着用できる素材であるため、全国の人々に愛され続けてきたのも納得です。
臼井織布さんの伊勢木綿は、堅牢度の高い染色技術を駆使し、とてもやわらかい色合いが特徴!!かつては、庶民にとって身近な存在だった木綿は、きらびやかな着物というよりも、アクティブに身軽に動き回れる現代でいう普段着として親しまれていたんだなぁと。
正直なところ、着物は自身の生活とはかけ離れており、伊勢木綿についても無知でした。しかし、実際にお店を訪れると、温かく親切なスタッフに迎え入れられ、急遽工場見学までさせてもらえることになりました。
そこで目にしたのは、当然ながら、今まで見たことのない精巧な織機。100年もの間、稼働し続けるその織機は、伊勢木綿という生きた伝統そのものの証であり、その生きた歴史に心から感動させられました。
そして、この織機が後のトヨタグループに繋がる、豊田自動織機であるという話を聞き、驚きを隠せませんでした。皆さんご存じでしたか? トヨタグループの始まりは、豊田佐吉さんが発明した自動織機にあり、織物と自動車が繋がっているなんて!!
社長自ら部品を製作し、修理を重ねながら、今なお健在な織機。その脈々と紡がれてきた物語と想い・・・それらすべてを込めて紡がれる伊勢木綿に、浪漫を感じずにはいられません。伝統を守り続ける社長をはじめ、スタッフの皆様の並々ならぬ努力と深い愛情のおかげで、伊勢木綿は大切に受け継がれています。
伝統を守ることの大変さと、その尊さを学びました。
この記事を書いた人
BAJ STAFF